LINEスタンプが3日間で1600DL超え。個人でもできる宣伝・販促の考え方
2020/01/20
オリジナルLINEスタンプ「中二カノジョ」の売上げが、開始3日間で1600DLを超えました。
初めてのLINEスタンプで、イラスト担当者に知名度がない状態としては良いスタートダッシュを飾れたと思います。
売上げ(分配金額)としては8月23日からの三日間で82300円でした。クリエイターズスタンプでのランキングは現在60番代前半を推移しています。
現在各国語版も準備しているので、販売対象国は日本限定です。
イラストを担当した鏡乃もちこ( @mochiko1213)も、好調な出だしに驚いていました。
編集・アップロード・販促を担当した僕にとっても、新しい発見が多くてワクワクしています。
このスタンプに関わったのは僕と鏡乃もちこの2名だけです。
LINE Creators Marketは始まったばかり(サービス開始日・4月17日)なので、まだ皆手探りの状態だと思います。
「スタンプ作ってみようかな? でもどう作ればいいのかわかんないし、売れないかもしれないし…」
とためらっている方も多いと思います。
また、個人・企業を問わない自由なマーケットなので、例えばあのコンボイ司令官たちとも同じ土俵で競争しなければなりません。
僕たちなどより成果を出している個人・企業も多くいるとは思いますが、LINEスタンプ界がより活発になっていけばいいなと思い、現状での記録と、僕たちが行った宣伝・販促活動をまとめてみます。
「このあたりが効いたのかな?」と思う点を、今回は特に企画・宣伝・販促といった部分に焦点を当てて、5つのポイントにまとめてみましたので、参考にしていただけると幸いです。
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企画段階は「くくり決め」と「ネタ出し」をしよう。「つっこみ」が入れられるスタンプがいいスタンプだ!
制作を始める際に、「どんなLINEスタンプにするのか?」を考えなくてはなりません。いわゆる企画段階です。
まずLINE公式の審査ガイドラインを、企画を立てる前に熟読してください。せっかくスタンプを作っても企画そのものが審査でアウト、なんて事になったら悲しすぎますからね。制作ガイドラインについても同様です。
そして、なんとなく描き始めるのではなく、ユーザーのニーズを考えた上でまず「くくり」を決めてしまうのが良いと思います。
そもそもLINEスタンプとは、「LINEでの友達同士のコミュニケーションに潤いを持たせる」ためのものだと思います。
文字表現ではきつい言い方になってしまいそうな時に、コミカルなスタンプを用いれば角が立たないし、スタンプでボケとツッコミのかけあい漫才のようになれば楽しいですよね?
大事なのはスタンプを見た時にユーザーにとっての「使い所」がイメージできること。そこを念頭に置きながら、わかりやすい「くくり」を考えてみました。
「これは~系のスタンプ集だな」とひと目でわかるようにするという事です。
「中二カノジョ」での「くくり」は、アニメファン・ネットユーザーの間では浸透している「中二病」(「厨二病」)というネタが該当します。
また、美少女系のイラストレーターが在籍しているウチの強みを活かして、「美少女アニメ」っぽいテイストを重視しました。
アニメファン、ゲームファンが気軽に買えるように考えたのです。なので色の塗り方もPCゲーム系よりはアニメ系寄りになっています。
女性が過半数を占めるLINEのユーザー層に対して「ちょっとニッチ過ぎるかな?」という懸念はあったものの、ある程度差別化していかないと埋もれてしまうと思いました。
何万という自作スタンプがひしめくLINE Creators Marketでは、埋もれることが何より怖かったのです。
なので人気スタンプに似たものを作るより、あえて多少ニッチでも自分たちの得意分野を活かそうと考えました。
「くくり」が決まったら、次は個別のスタンプのネタ出しをします。
スタンプは40種類必要なので、イラスト担当のもちこと相談しながら思いつくままテキストファイルに書き出しました。
「既読なのに……」などの定番ネタからオリジナルなネタまで、「こういうやり取りの時に使ってくれると、笑ってくれるかな~?」と妄想をたくましくしてどんどん書き出します。
どんなネタが好まれるかは、すでにランキング上位のスタンプなどからある程度の傾向はわかると思います。
定番ネタに加えて、やはり「そのスタンプならではのオリジナルネタ」を加えていくのがいいと思います。
「中二カノジョ」の性格は「豆腐メンタル」にしよう、と決まってからは、早かったです。
ちょっとダメな性格の方が、気楽にツッコミが入れられて楽しくなると思いました。(笑)
例えば、「現実なんてクソゲーだ!」と言って布団に潜り込むスタンプなどがその代表です。「おい!」とツッコミが入れられる感じです。
40種のアイディアメモが固まったら、作画してもらいました。作画期間はトータルで1週間程度でした。
実際のスタンプ作成手順(pngファイルへの切り出し作業)につきましては、LINE公式の制作ガイドラインに従ってください。
ちゃんと基準を満たしていないと審査でリジェクトされ、修正・再提出が必要になるので販売開始が遅れてしまいます。
告知はできるだけ早めに(可能なら2ヶ月前には)開始する
スタンプが完成し、アップロードが終わったら、長い審査期間に入ります。
「中二カノジョ」の時は、審査終了まで2ヶ月以上かかりました。
審査過程でLINEからのリジェクトはなかったので、いちばんスムーズでもそれくらいの期間は覚悟する必要があります。
僕はスタンプを提出した後、急いで告知ページを作成し、Twitterなどでも新スタンプが審査中であることを告知し始めました。
イラスト担当のもちこも、Twitterアイコンを中二カノジョにしたりしました。
ですので、販売の2ヶ月以上前から告知していた事になります。
結果論ですが、この事がスタートダッシュのランキング入りに大きく寄与したと思っています。
やはり一度見かけたことがある絵だ、という記憶があるのと、いきなり見たものでは、購入率は大きく違ってくると思います。
スタンプ画像は、サンプルとして全部見せてしまっても良いと思います。どうせ販売ページで全部見ることができますので……。
ですのでLINEスタンプは、「イラストを売る」のではなく、「LINEアプリ上でコミュニケーションに使うことができる」という機能を提供するという事なのだと思います。
その点が、同人誌などとは大きく違う点だと思います。ソーシャルゲームのカードイラストに近いのかもしれません。
ランディングページの制作と、スマホ対応
LINE Creators Marketのマイページでアップデートが何度かあり、そろそろ販売開始されそうだな、という気配を感じる頃には、ランディングページを準備しました。(注・現在では役割を終え、サイトは閉じてあります。)
ランディングとは「着陸」という意味で、宣伝広告のリンク先となる販売に繋がるページの事です。
ここでは、購入へ踏み切らせるクロージングのページ、という意味だと思ってください。
僕が作ったランディングページは、サンプル画像などを見せ、魅力を十分アピールした上で、一番下にLINEの販売ページへのリンクボタンを貼る、というものです。
サンプル画像やおまけイラストなどが掲載されたランディングページを見てもらい、実際の販売ページへと導くという事です。
押されやすい大きめのボタンを配置するのが良いと思います。
「LINEでの販売ページが提供されているのに、別にランディングページまで必要なの?」と聞かれそうですが、僕はあった方がいいと思います。
他のスタンプと同じ状況に甘んじることなく、積極的に興味を持ってくれている人には、より詳細な情報を提供することが大事だと思います。
また、LINEはPCからより、スマホアプリ内からの方が購入しやすいと思うので(PCからではプリペイドカードでのポイント補充が必要のようです)、サイトはスマホ対応が必須だと思います。
僕の自サイトの統計でも、約43%がスマホからの流入でした。
あらかじめスマホ・タブレットに対応したレスポンシブなテーマでブログを作っておくのが良いでしょう。
僕はWordPressを使っていますが、ライブドアブログやはてなブログなどの無料ブログも今は大抵スマホ対応なので、それで構わないと思います。
審査終了!販売開始ボタンをポチる前に……ソーシャルで宣伝!
8月18日、スタンプが承認されたというLINEからのメール通知がありました。
審査にパスしても、実際に販売開始させるためには、マイページから販売開始ボタンを押す必要があります。
LINE Creators Marketでは、審査が終了しても販売タイミングは自分で決めることができるのです。
僕はあえてすぐ販売開始せず、何日か後に発売日を自分で決めてしまい、ささやかながら告知キャンペーンを展開する事にしました。
僕たちの場合は、審査が通った約一週間後の土曜日、0時からを発売日と決めました。(正直言うと、適当に決めてしまいました。)
何曜日の何時がいちばん売れやすいのか、などのデータがあれば、もっと有効に利用できると思います。誰か教えてくださると嬉しいです。(^_^;)
TwitterやFacebook、ニコ生、自分のブログなど何でも良いですが、持てるソーシャル活動の全てを用いて、販売直前告知をすると良いと思います。僕もあらゆる手段を用いて告知活動をしました。
と言うのも、LINEでのクリエイターズスタンプカテゴリの「新着」もしくは「ランキング」ページ以外の導線は、ほとんどが「ソーシャルからの流入」に依存してしまうからです。
外部流入はほぼ全て、ソーシャル、もしくは自サイトからの流入しか期待できないと思って下さい。テレビなどで紹介されることがあれば別ですが…。
お金をかけた宣伝については、1セット売れても50円程度の収益しかないスタンプでは割に合いにくいと思います。なので、ソーシャル流入とバイラル(口コミ)効果に大きく依存すると思います。
僕たちは、キャンペーンとして発売日までのカウントダウンイラストを鏡乃もちこが毎日描いてくれたのでTwitterでリツイートしたり、自由に使えるTwitterアイコン素材を期間限定として配布したり……思いつくことをやってみました。
なぜ発売日へ向けてのキャンペーンが大事かというと、スタートダッシュの初動である程度売れると、ランキングに入ることができるからです。
実際に、友人知人がけっこう買ってくれたので大変助かったと思います。
発売後数日以内にランキングに入れないと、その後の売上げはけっこう厳しくなると思います。
ある程度普及してくれば、友人からのスタンプをクリックすることで買われる「バイラル効果」も期待できると思うのですが。
販売開始ボタンを押すと、実際に販売されるまで10分くらいのタイムラグがありました。
ですので時間を予告して販売する場合は、15分前くらいにはポチっておくのが良いと思います。
販売開始後も、定期的に宣伝しよう
販売開始しても、やっぱり面倒くさがらずに、Twitterで良いので定期的に告知するのが良いと思います。
自動ポストは悪印象をもたらす可能性があるので、できるだけ気持ちをこめて、毎回手で入力したり、新規のイラストを添えると良いと思います。
ソーシャルでの宣伝効果を発揮するためにも、常日頃からSNS(特にTwitterとFacebook)を活用し、ネットでの発言・活動を通して繋がりをコツコツと増やして行くのが大事だと思います。
まとめ
自分たちが作ったLINEスタンプが、実際に自分のLINEで使用できたり、友人たちや知らない人が使ってくれたりするのはとても嬉しく、楽しい事でした。
今回取り上げたような販促活動は、ちょっと面倒ではありますが個人でもできる事だと思います。
必ずしも毎回売れるというものでもないと思いますが、金銭的な見返りの存在はやはりやる気に直結すると思います。
皆様にも、ぜひLINEスタンプクリエイターの生活を楽しんで欲しいです。
「中二カノジョ」は今後、各国語対応を準備しています。
現在のところ、台湾、タイ、インドネシア、韓国、英語、スペイン語版をそれぞれ準備しています。大変ですが、データを取ってみたいと思います。
世界各国で販売されたデータが揃ったら、またレポートしてみたいと思います。
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