プロブロガーたちが売るさして新しくない商品

      2020/01/20

自分のブログをもっとちゃんとしないとな、とイケダハヤトさんとか八木仁平さんなどの「プロブロガー」を参考に見てて、「この人たちは一体何をしているのだろう?」と不思議に思った。

「自分らしく」とか「自然体で」とか「生き方」とか「就職なんて古い」とか「ブログで生活」といったものがキーワードだと思うけど、結局この人たちは一体何を売ってる人なの?
アフィでお金入るのはわかるけど。

プロブロガー達は何を売っているのか?

僕のいるコンテンツの業界では、声優なら音声、絵描きなら絵、ライターなら文章と「納品」するものがハッキリしてる。
転売屋や投資家は価格差を狙った商売だし、ITエンジニアもシステムを売っているのでわかる。
さて、彼らは何のプロなのだろうか。何の専門家だろうか。よくわからない。
それともよくわからない僕の頭が古いのか?
アフィリエイター?
どうも調べてみると、匿名的にサイトを量産するアフィリエイターとは対立関係にあるらしい。
じゃあなんだろうか。意識高い系ネットアイドルみたいなもんだろうか?

そして調べていくと、こんな記事が目に入った。

http://yuki-season.hatenablog.com/entry/2016/09/15/193000

Oh…プロブロガーのフォロワーたちが、大学を辞めたりしているのか…。

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会社や大学を辞めるプロブロガーのフォロワーたち

大学を4ヶ月で辞めた彼について思うのは「まだ若いのにちゃんとしたビジネスを学ばないでいいの?」ということである。
大学を辞めようが会社を辞めようがいいけど、大事なのは実社会での仕事の仕方や勝算を見つける事である。
資産があるわけでもなく、自分のビジネスを構築してもいないのに向こう見ずな行動をするのは、単なる社会的な自殺になってしまう懸念がある。
つまり順序がどこかおかしいのだ。起業してやりたい仕事もはっきりしてないのに、まず退学するというあたりが。
大学や会社はまずそれを学ぶ場所ではなかったのかい?

今をときめくプロブロガー達を「格好いい生き方」だとして、感化された若者たちが就職せずにプロブロガーを目指していく。
その様子を見て、皆ざわついてるのだ。ああ不安になる……。

そして以下のはてブコメントを見て納得した。

confusion8 40年前ならヒッピー、30年前なら新興宗教、20年前ならマルチ商法、10年前ならバックパッカーやってたような層が2016年にやるのがブログで起業なんだろな

な、なるほど。
ヒッピーとかマクロビとかバックパッカーみたいな「オルタネイティブな生き方」に憧れさせて、その雰囲気、空気を売る商売なのか。アフィはおまけにくっつけてる感じ。
簡単に言うと、彼らの商品は「会社を辞め、ブログを書いて自由に生きていく」というライフスタイルだ。

ライフスタイルという、さして新しくない商品

知人のライターに聞いたけど、「ライフスタイル」を売るのは儲かるらしい。
なにせ元手がタダだし。(笑)
商売の相手は「レールに乗った普通の人生に不安を覚える人」である。つまり普通の学生とかサラリーマン。
彼らをディスり、不安にさせ、他にその人に合ったオルタネイティブで自分らしい生き方(ライフスタイル)があるのではないかと思わせ、恋してしまったように夢中にさせるのだ。

前述のように、ライフスタイルを売るというのはさして新しい商売ではない。
「健康生活」とか「隠れ家」とか「おしゃれなカフェ」とか「ファッション」とか「何とかスタイル」とかそういう雑誌いっぱいあるでしょう?
最近、ライフスタイル雑誌だけは売れていると聞く。

では僕はなぜ不安になるのか?
プロブロガー達がまとっている成功者のオーラは、彼らが「まだ若く、人気があり稼いでいる」からこそ存在する不確実なものだ。
彼らは「憧れのライフスタイルの実践を商品とし、タレント業をしている」というのが正確だと思う。
つまりタレント自営業。自らを売り出すプチ芸能人。
そうしたタレント自営業は、誰にでもできる仕事ではない事は自明だ。
タレントが誰にでもできたら、それはタレントとは呼ばれない。
ルックス、文才、商才、炎上芸、編集テクニック…いずれも容姿・性格・スキルの組み合わせが市場にとってキャッチーであるかがキモであるし、先天的な向き不向きも大きいと思う。

ブロガー達の将来と、個人が引き受け切れないリスク

おそらく右肩上がりの成長が止まった時、彼らのモデルは崩壊するだろう。
だって彼らは、「今売れてる」という数字を利用して憧れビジネスをしているから。
人気バンドや人気アイドルが旬のものであることは、皆さんご存知のところだと思う。
しかし一時の人気が衰えたとしても、利にさとい彼ら「タレント自営業者」は、したたかに別のショーバイに移行していけるのかもしれない。

その時置いていかれるのは誰だろうか?
言うまでもなく、彼らの純真なフォロワー達である。

彼らのブログ塾を受講し、オンラインサロンに入り、noteの売上記事を購入し、プロブロガーになれると夢見て大学や会社を辞めた、まだ売れないフォロワーブロガー達だ。

もし彼らのブログ事業や起業がうまくいかなかったとして、再就職に支障はないだろうか?
何せ彼らは、憧れブロガーのスタイルを真似て、実名で顔写真も露出し、さした実績もないのに「大学やめましたブログ」「会社やめましたブログ」を書いている。
この国は、そういった経歴がGoogle検索で出てくる人たちが再就職しやすい国ではないと僕は思う。
どんな会社だって履歴書に書いてある名前で検索くらいはするだろう。
つまり、フォロワー達はリスクを過大に引き受けている懸念がある。
何に憧れても構わない。夢を追いかける人生はいい人生だと僕も思う。
だけど、まだ力なきフォロワー達はそのリスクを自覚するべきだと僕は思う。

今回のまとめ

ライフスタイルに恋するのはいい。だけど個人で引き受けきれない過大なリスクには要注意

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