「LINEスタンプの販売可能国が世界230カ国に拡大」の報と、各国語版スタンプの翻訳について悩む夜
2020/01/20
ブレイキングニュース!
LINEクリエイターズマーケットのサイトを見てると…。
えー!販売国が大幅に増えてるじゃないか!
いずれ販売国は増えると思っていたのですが、このタイミングとは!
さすがスピード感が違いますな~。
6月20日付けで、登録クリエイター向けに以下の内容が発表されております。
スポンサーリンク
LINE Creators MarketでのLINEスタンプの販売可能国が世界230カ国に拡大
<これまで>
日本・台湾・タイ・インドネシアの4カ国での販売
<6月23日より>
(LINEアプリ内スタンプショップ)LINEが利用できる世界230ヶ国。
<6月26日より>
(LINE WEB STORE)アメリカ・英国・ドイツ・フランス・カナダ・オーストラリア・イタリア・ブラジル・スペインの9カ国。
えー、いきなりアプリ内での販売可能国が57.5倍になってるじゃないですか。。
LINE WEB STOREの9カ国っていうのは何?とも思ったのですが、つまり、Webサイトからスタンプを買えるのは9カ国だけど、LINEアプリからは世界230カ国で買えるようになると。
きっと期日までに公式Webサイトで販売対応できるのが、比較的人口の多い上記9カ国に絞った、という事なのでしょうね。クレカとかの問題もあるし。
アプリ側は、課金や販売ページの準備はある程度AppleやGoogleがやってくれるから、一気に世界対応できると。そういう事ではないでしょうか。
そして、これまではスタンプの販売申請ページで販売エリアを指定できたのですが、「販売国を制限して選ぶ」でなく、「販売可能な全てのエリア」を選択していると、過去に登録したスタンプも自動的に世界230カ国で販売開始されるそうです!
…これは驚きました。瞬時にしてグローバルにスタンプが販売できるプラットフォームができあがったという事ですよ。
クリエイターにとっては、マネタイズの可能性が一気に広がると思うので喜ばしい事だと思います。一個売れても50円程度しか入らないですが、販売数が増える可能性がぐっと上がって、ほとんどのスタンプ職人は恩恵を受けるのではないでしょうか。
そして、各国語版スタンプの翻訳について悩む
ちなみに、僕がこの報を知ったのは、我らが初のオリジナルLINEスタンプ「中二カノジョ」の台湾版・タイ版・インドネシア版を登録した半日後でした。
W杯のギリシャ戦を待ちながら、登録作業をしていたのでした。
おそらく世界への対応としては「文字の入っていない、画像のみ版」で対応する人が多いと思われる中、ウチは少しでも「中二病」という微妙なニュアンスを伝えたい、という事で各国語版を制作する事にしたのでした。
これが、まー結構大変な作業でして。こういうものはちょっとした言語感覚のズレで、一気に距離感を感じさせてしまうもの。機械翻訳じゃどうにもならないです。
あらゆるツテを頼りに、日本語の漫画文化を理解するネイティブや現地在住の人を探して、翻訳してもらいました。
さらに適切なフォント選びを手伝ってもらったり、細かいニュアンスを聞きながら何度もやり直ししました。一番難しかったのが適切な改行位置です。ヘンな位置で改行するわけにはいかないからね。
ちなみに、原稿料は日本の銀行口座を持ってない人にはPayPalを利用しました。為替・振込手数料が銀行の振込手数料(300~400円程度。金額による)で済んだので助かりました。ビットコインはまだまだ普及してないので。。非居住者への源泉とかについても調べました。(非居住者に対しては源泉しない。消費税もかからない。)
で、完成した各国語版はこんなカンジ。
(左から中文繁体字、タイ語、インドネシア語。インドネシア語はアルファベットを使用するので比較的ラク。)
台湾版は中文繁体字を手描きしました。
それで登録作業を負え、一息ついたところで、この報です。
ウチのようにコツコツローカライズ版を作っている業者にとっては、「どうしたらええんじゃ・・・?」と放心状態。。。( '﹃' )
「世界230カ国」とやらの主要言語を調べて、それぞれ翻訳者を探して、全翻訳すべきなのか!? ちょっと待てそれは膨大な手間だぞ?
それともローカライズは諦め、「画像のみスタンプ」に制限して、お手軽に世界で売るのか?
これが嬉しい悲鳴というやつなの!?
でもマンガの描き文字のような日本語を添えて、コミカルなものにした方がわかりやすいし、実際そういうのが売れてるという印象もあります。
販売数上位の「返事をくれない彼氏を追い込むLINEスタンプ」とかもそうですよね。
返事をくれない彼氏を追い込むスタンプ発売開始です。https://t.co/J6FuD3LXOo pic.twitter.com/G5KeXKZING
— 森もり子 (@mori_MORIKO_) May 8, 2014
全部とは言わないけど、一部にでも日本語で描き文字が入ってる方が使いやすいスタンプだと思いませんか?
でも日本はとってもガラパゴスな国。「日本人にとって使いやすいスタンプは、かえって世界ではわかりにくいものとなってしまう」というジレンマがあるんですね。
さて、今後どうやってLINEスタンプを作っていけばいいのか?
僕はできるだけ世界で売りたいと思う派です。
ちょっと考えたのですが、おそらく殆どの人は、以下のような2バージョンを制作して販売する事になるのではないでしょうか?
- 「日本語版」を「日本」に限定して売る
- 「ワールドワイド版(文字なし)」を、「販売可能な全てのエリア」に売る
という感じです。
ただこの場合だと、日本の方にとって日本語版とワールドワイド版が重複して売られることになってしまい、ユーザーにとっては少しわかりにくいかもしれません。。
ウチの場合だと、さらに「台湾版」「タイ版」「インドネシア版」を限定して売り、文字なしのワールドワイド版も、という事になりますかね。。
…などと頭がぐるぐる回っているのです。
さて、6/11に申請した日本語版「中二カノジョ」、ずーっと「審査待ち」状態のままです。
万単位で審査待ちが発生しているとの噂もあり、販売まで一ヶ月くらいかかってもおかしくないなーと覚悟しております。